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へーリンゲン村展覧会

この工房が寛太工房として始まったのは2001年。
2002年から毎年2回の展示会を開催してきました。
第1回のときは、2階の住居部分一部や中2階、窯の横、それに現在轆轤を置いている半地下のスペースをどう使いこなして作品を並べるか、それはもう大騒ぎの準備でした。

教室が始まったのは3年前。夏休み陶芸教室として子供から大人まで入り混じって15人以上が現在の教室スペースで制作。野焼きで焼きましたね。

まだその頃、デジカメでどんどん出来事を記録していくワザもないまま、たまたまその場に居合わせた方の頭の片隅に当時の様子は潜んでいるかも知れません。

全く最初の1年弱、仕事場は、みなさまおなじみの2階住居へ続く階段を登りきったところ、左側の今ではHeizungが取り付けられているところが入り口で、約50か60平米があったのですよ。



展覧会場から、そしてみなさんが制作をしていたときも、窓からひょいと窯場のほうに視線を投げると、いつもこの片隅は変らない姿で目にはいったものです。この場所にあの焼成の慌しさ、疲れ、熱さが戻ることなく消えてしまうのが・・・

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そんな運命をしってかしらずか、野良猫大将が日がな一日留守番しています。



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これはあの窯でイングリッシュトーンを塩釉焼成したものです。(魚住作)

へーリンゲン寛太工房の注文第一号は、10日以内に結婚式の引き出物60個制作でした。
唯一このイングリッシュトーン(土)なら、そのスピード制作を可能にするだろうと・・・そして本当に少々生乾きでも割れることも歪むこともなく焼きあがってきたのでした。それから暫くイングリッシュトーンは寛太工房の独特な存在となっていました。



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油滴天目の鉢、電気窯(寛太作)ドイツ釉レシピ

イングリッシュトーン信仰の次に、寛太工房で苦心したのが天目釉の開発でした。日本の天目釉の調合をドイツで手にはいる原材料に置き換え、この窯場を作ったドイツ人陶芸家が残した調合の中にある黒釉を試し、器に適した黒の色調を絞り込んでいきました。
その経緯の中で、日本では難しいとされている油滴天目を遊び心でテストしてみたら、出来てしまった!油滴はゆっくり冷ますことが肝心で、ドイツの窯は車と同じで保温性が抜群なのでしょうか。




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しかし、なんと言ってもへーリンゲン焼きの栄誉はこのへーリンゲン土に
(寛太作 青釉)

この土の誕生はへーリンゲン寛太工房、過度期の苦労から生まれたといえます。
あの窯の煙突にひびが入り焼成が危険になった三年前、皆で野焼きをしたころ、その斜面広場の隅に3基目の穴窯を作りました。築窯で掘り返した土が粘土っぽいと、バケツに拾い集め2年間水を張ってほったらかし、今年あの漏水事件の直前にテスト成形したもの!それが3月Nさん送別会の焼酎グラスとして登場しましたね。

ついにへーリンゲン焼きとして、この村とこの焼き物を結びつけていこうと、張り切った矢先の漏水事件でした。




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(黒土紐つくり、塩釉焼成 魚住作)
余計な映像ですが、このシリーズ塩釉焼成の残り少ない一つがなくなりました。
黒土の塩釉薪窯焼成は表面が銀化して、それは渋いものでした。
あわてて記録したので、それが全然映っていません。そんなものですね、思い出は。




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この寛太工房に、色々な状況と情景が流れすぎ、その中で色々な作風が生まれるてきました。
この場所で、先の教室最近の作品も撮影しました。どんな些細な場所も、そこに作り手の喜びに溢れる作品が置かれると、素敵な場所に見えますね。



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そして今回の展示テーマはドイツのろうそく文化VS茶香炉だったわけですが、どれもまだ発達途上です。これから又作ります。工房が何処になろうと制作意欲は心の中にあります。



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雪の中を、多くの方が見に来てくださった展覧会が終わり、翌日。パンクちゃんだけが、周りを走り回り、隙を見ては箱の中にすわり込むのを相手しながら会場の片付けをしました。

アンコールで今週末も土曜日、日曜日の展示です。ささやかな忘年会もやります。
SさんとSちゃんの誕生会+教室の展開にかんして寛太先生初め、皆さまとお話しましょう。
その前にパンクちゃんもいよいよ更新しますよ!!
by atelierKANTA | 2008-12-03 03:08 | この教室のこと


南ドイツシュトゥットガルトに集まる食いしん坊たちの陶芸教室です


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